安齋 玖仁著
2016年05月25日発売定価1800円+税
まだ若き著者が先代旧事本紀大成経に出会った衝撃から書いた真っ正直な告白ともとれる「薫りたつ人其の壱」から其の参までほぼ1〜2年内に出版され、その後約二十数年を経ての結論ともいうべきものが其の結として書かれた。本書の目的は先代旧事本紀大成経の解説(伝という)である。ようやくその難業の緒についたことを、それまでの経緯を書くことで説明されている。先代旧事本紀の現代語訳という本は他社から出版されているが、それは十巻本先代旧事本紀である。先代旧事本紀大成経はそれとは異なり七十二巻からなり、聖徳太子が編纂し秦河勝らが完成させた推古朝の神代皇代大成経ともいうものである。本文第二、三章で旧事紀という名称の書物についてその周辺を詳しく説明し、先代旧事本紀大成経入門の書という体裁をとっている。何より興味深いのは、著者が二十数年間のあいだに何を知り得たのかを前作同様に率直に飾らず書かれていることではないだろうか。
第一章 わが師 薫りたつ人
神に近づくために
私たちの身体を構成している元素は、始めから宇宙にあったわけではない。ビッグバンによって水素が倦まれ重力によって集まり星となる。やがて星は熱を帯び、核融合によって新たな元素が生まれる。星は膨張し爆発する。この爆発によって飛び散った元素は新たな星を形成してその数は増えていく。何度も爆発し星々が生まれては消える。地球もそのような星の一つだ。星は成長し、そこへ生物が誕生した。大地も生き物もすべては星のかけらでできている。わが国最古の古伝では、この一連の生成の流れを地つ神のハタラキであると教えているのだが、科学者たちはビッグバンを探究することで創造主である神を解明できるかもしれないと期待している。しかし諸々の起源はさらに遡らなければならない。地つ神を生む源の………
第二章 三宝(仏法僧)から三法(神儒仏)へ
第三章 先代旧事本紀大成経伝一