津留 清美著
2017年11月03日発売定価2000円+税
はじめての、雨 〜大きな地震のあと
「大きな危機をなんとかやり過ごしたかに見えて、見えない亀裂は残され、終わりの見えない日々は続いていく。なにかの役に立つかわからないような役務のうちに、いつかは来るはずの日を待たなければならない。…………すべてはあの日から始まるのだから、すべては新しい。激しい豪雨、豪雨、新しい豪雨。新しい揺れ。しとしと雨、雨、雨。死と、詩と、雨。すべては新しい。新しい落下。」(序の詩)詩人 津留清美は見えないものを視、虚空を仰ぎ、そして時空のかなたの声をとらえ、終わらない過去を蘇らせる。この詩集は災害に覆い尽くされた日本列島の今なお苦悩する人々の、かぼそき声を代弁している。
熊本市在住。詩人、エッセイスト。熊本詩人の会、熊本蘆花の会などの事務局を務める。同人誌みなみのかぜ他、地元新聞、雑誌及び詩誌への寄稿も多いが、障害者の就労支援事業を行うNPO法人福ねこ舎理事長として社会福祉への取組みも熱心である。高い評価を受けた前作「業とカノン」から18年ぶり待望の新詩集。