新刊のご案内

詩集 雨野では 

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 藤子じんしろう 著 B6版 192頁
 '18年7月2日発売予定
定価2000円+税(全国書店、ネット書店取扱)
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  • 著者と作品について

地震 大雨 火山爆発 ――あの年、熊本県を中心に襲った災害の数々。なにかの始まりなのかもしれない。まだ過去の出来事とも言えない。愛犬みるくは、大地震の後の何カ月も続く揺れの恐怖のなかで、もう吠えたてる激しさも失せ逝った。
天禍だからと/簡単には呑めないよ、な/ハリセンボン/9月になったからとて/油断するな

ヒトも、生物も、安全を追求してさまざまなものをつくり出していく。長い時間をかけ、身を守るため体を大きく見せ、武器で守ろうとするのだが。
どうせボクラハ/忘れられの 人間同志の/夢まぼろしの
ハクセンシオマネキは、生きていくために大きすぎるほどの武器を振り上げるだろう。しかし、絶滅危惧種への道をたどることになる。藤子じんしろうの詩は私的でおだやかであるが、具体的な体験を通し、根は強烈な文明批評のメタファー(喩)として読者の心の底に触れてくるはずだ。
  道筋を辿るだけでは何も見えてこない
  感じなければ何も見えてこない
犬もハリセンボンもハクセンシオマネキも、ことばは通じないけれど感じあうことで詩人のなかで戦友となる。絶滅危惧種は私たちだから。だからさまざまなものから「叱咤」されながら、
どんな人生でも/「たたかい」/は尽きないものだ
ということになるのだろう。藤子じんしろうのことばはたおやかだ。ことばが醸す味わいを感じることが、見えない時代のなかで詩集「雨野では」は生きることの孤独に寄り添うあたたかさとも喜びともなる。

著者紹介…藤子じんしろうは、長く公立高校で美術の教師を務めた。ただ、表現者として美術という枠に収まらず、詩人としても活動し、熊本県詩人会代表、大学で現代詩の講義も担当する。熊本県美術協会会長も務める。面倒見のいい人格者でもある。(編集者)